一般社団法人全国ネット被害者救済ネットワーク

企業Z社の事例|IP特定後、個人を特定可能かどうかアクセスプロバイダにヒアリング【事例No.A001(2)】

事例No.A001(2)

前回までの復習です。

① レンタルサーバ会社に対する弁護士会照会(サーバを借りて掲示板を運営しているのが誰なのかを照会する)
② 掲示板運営者(コンテンツプロバイダ)を相手取り、IPアドレス、タイムスタンプ等の開示を求める仮処分をかける
③ 仮処分で勝てたら、IPアドレス等を取得し、経由プロバイダ(アクセスプロバイダ)に対し、発信者情報の開示を請求する
(ここでも場合によっては、消去禁止の仮処分が必要になることがある)
④ 判明した発信者に損害賠償請求訴訟をかける(本案訴訟)

②の掲示板運営者を弁護士会経由でレンタルサーバ会社から特定し、弁護士経由で開示請求を行った。開示が拒否されれば、ツイッターと同じように、開示請求の仮処分を裁判所に請求しなければならず面倒だったが、簡単に当該コメントのIPアドレスを開示してくれた。

良い運営者だ。

掲示板運営者との繋がり

開示請求を何度も行っていくうちに、各種問題の掲示板運営者との繋がりができる弁護士も多数いる。そこで掲示板のスレッドを消すもしくはIPアドレスを開示するにあたって、「お金」で解決する掲示板運営者も少なくない。誹謗中傷が増えれば増えるほど、掲示板運営者も儲かるようにできている。

一方、今回のNo.A001の事例では、掲示板運営者は弁護士会経由の開示請求のみで、お金を請求することなく開示してくれて当該スレッドを消したということは評価したいと思う。

一般的に、お金次第で消すことができる。

IPアドレスからアクセスプロバイダに保管請求

今回は、2個のコメントが問題となった。それぞれ別の人間が書いたようだ。それぞれ、(1)と(2)にわける。

(1)IPアドレスよりアクセスプロバイダを特定。A社

まずA社に対し以下の趣旨を弁護士より通知した。

・Aのネットワーク設備を経由して誹謗中傷文言を投稿していることが判明
・開示請求訴訟の提起の準備をしている
・判決が言い渡される場合にそなえ、アクセスログの保存の協力を依頼
・協力いただけるかどうかについて連絡してほしい
・他の通信事業者等にAのネットワーク設備を提供している場合、その通信事業者を教えて欲しい

A社からは弁護士事務所に電話連絡があり、

①A社からどこのプロバイダにIPを提供したのかは分かる
②ただ、それ以上のことは、提供したプロバイダに聞いてほしい

との返答があり、A社からIPを提供したアクセスプロバイダを開示するための仮処分申立てを行う。

(2)IPアドレスよりアクセスプロバイダを特定。B社

B社にも同様の通知を行う。

B社からは、特定可能かどうかについて調査を行う旨の連絡が3日ほどであった。

その後20日程度過ぎた段階で、B社より個人が特定できたとの連絡があり、判決を待って開示したい旨連絡をもらう。

さまざま裁判所の判断が必要である

IPアドレスの保管、開示等については、裁判所の仮処分が必要となる。そのために時間もコストもかかってしまう。